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文化祭の実行委員
どういうわけか推薦されて、出来もしないのに実行委員の副委員長になってしまった僕。人前で話すのすら苦手だし、みんなを纏める役なんて絶対にあり得ない。
人に指示なんか出来ないし、なにかアイディアの提案をするのさえも苦手なんだから。
なんでこんな立場になったのか全くもってわからない。
「えー。じゃあまずは、大まかなところを決めていこうと思います!」
爽やかな笑顔でみんなを見渡す野々村君はみんなの注目の的。僕はそのそばでひっそりと佇む。
早速、前に出た野々村君がテキパキと効率よく話を纏め、みんなを仕切っていく。僕はその脇に立ち、相づちを打つ真似をして野々村君の話を聞き、決まった事をひたすらノートにメモを取る。だってそれくらいしかやることがないから。
話し上手な野々村君はみんなの意見を纏め、対立した意見も調度いいところでうまく真ん中を取って調整していく。
野々村君が言うと不思議とみんなも納得する。そうしてあの笑顔でこっちを見てきて同意を求めるから僕はひたすら相づちを打つ。
ウンウン。
するとほっとした顔で野々村君が僕を見てまた笑ってくる。
僕は何もせずにただウンウンするばかり。だって反対意見なんか別に無いし。
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