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「ずっと好きでいてくれてありがとう。わたしも潮谷くんが好きです。よろこんで、お受けいたします」
汗ばんだ俺の手に、少し冷えた柔らかい手の感触。
細い指が俺のてのひらを撫でたかと思うと、きゅっと遠慮がちに握られた。
勢いよく体を起こした。
片手と髪で隠された顔。
いつも以上に見える表情は、今までにないくらい真っ赤で。
「好きです!」
愛おしさに抱き寄せてしまった。
「わっ!」
初めて触れる磯貝さんは、俺の腕の中にすっぽり納まって、さらに愛おしさが爆発する。
気を付けないと抱き壊してしまう気がした。
そっと、丁寧に、大事に。
「ふふ、最後まで告白してくれて、ありがとう」
至近距離の嬉しそうな上目遣いは心臓に悪い。
きっと俺の心音は彼女に聞こえているだろう。
俺にも彼女の鼓動が聞こえているように。
了
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