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「爪、切ったんですね! すてきです! 好きです! 付き合ってください!」
「よく気づいたね。ありがとう。でもごめんなさい」
「好きな洋菓子は何ですか?」
「おやつ、じゃなくて洋菓子なんだね。うーん。洋菓子だったら……ふわふわのパンケーキかな。はちみつかけて食べると美味しいよね」
想像したのか、幸せそうな顔で頬に手を当てる。
細く白い指の先に、整った爪が付いてる。
その手で俺にも触れて欲しい。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして」
立ち去る磯貝さんの背中を見送った俺は、スラックスのポケットからスマホを出してメモ帳を開いた。
磯貝さん専用ファイルを開ける。
「好きな洋菓子は、ふわふわのパンケーキ。はちみつをかけて食べるのが好き」
まだ2つ目。
これからもっと彼女を知っていきたい。
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