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◇
その夜湯浴みを終えたユーリは、カイルが寝そべるベッドの中に潜り込んだ。
寝転がると星の見える窓辺に並べた大きなベッドで、ユーリはいつもカイルと一緒に寝ている。寒い日はひっついて、暑い日はたまに蹴飛ばしたりだ。
「ねえねえカイル、これ見て」
「あん?」
自分の腕を枕にして窓の外を見上げていたカイルは、ユーリの声に寝返りを打って振り返った。
体を洗って着替えても、どうしてかカイルは消毒液と薬草の匂いがする。
ユーリはその胸元に擦り寄りながら、手のひらに乗せたそれをカイルに見せた。
「星粒じゃないか、懐かしい」
「知ってるの?」
「まぁな」
そう言って、カイルはユーリの背中に手を回して抱き寄せながら、もう一方の手でユーリの手の中から星粒を一つ摘み上げた。
「これどうしたんだ?」
「シェズにもらった」
「ああ、なるほど」
「食べさせっこしたよ」
ユーリがそう言うと、カイルは摘んだ星粒からユーリに視線を落とした。
「おまえはそれ、意味を知っててやったのか?」
「うん! でも、好き同士じゃないから意味ないねって話した」
言いながら、ユーリはカイルの摘んだ星粒にパクリとかぶりついた。カイルの指も一緒に咥えてしまったので、カイルが「コラ」と少し笑いながら、ユーリの背中を軽く叩いた。
「寝る前に食べるなよ」
「カイルは? 食べない?」
「食べない。もう、歯を磨いたからな」
「ふぅん」
ユーリは口を尖らせ唸りながら、カイルの口元に差し出した手を引っ込めた。そしてカイルの胸元から起き上がると、サイドテーブルに置いていた紙袋の中に手に残った星粒を戻した。
そんな風にごそごそ動いていたユーリの体を、不意にカイルが引き寄せた。またカイルの胸元にユーリの体が収まって、今度カイルはユーリに覆い被さるように腕を回してきた。
ユーリが少し顎を突き出すと、カイルは流れるようにユーリの唇に口づける。少しだけ開いた隙間から、カイルの温かく湿った舌がユーリの中を舐めた。
「甘いな」
そう言ったカイルにユーリは「んふっ」と笑いを返した。
「ねぇ、カイル、王都に行かないの? 星祭は? ユリウスに会えるんだよ?」
衣服の裾から入り込んだカイルの指が、さわさわと背筋を撫でるので、くすぐったくて声を少し上擦らせながら、ユーリはカイルに尋ねた。
「おまえは、さっきの話ちゃんと聞いてたのか?」
少し呆れたようにそう言いながら、カイルはユーリのシャツの裾を捲し上げ胸元にちゅっと音を鳴らして唇を寄せた。
カイルに体をあちこち撫でられると、ユーリは下腹部が落ち着かなくなる。もじもじしながらカイルの肩にしがみつくと、それを合図にしたみたいに、カイルの手がユーリのズボンの中に入り込み、揶揄うみたいに性器を撫でた。
「んっ……聞いてたよ、ちゃんと意味もわかってる」
ユーリは僅かに息を弾ませ、胸元にカイルの頭を抱き寄せる。カイルは「じゃあなんで?」と言いながら、ユーリのズボンをずらしてもう少し強い力で性器を握ると上下に扱き始めた。
ユーリはカイルに触られるのが大好きで、そんなふうにされると胸の奥もぞくぞくするし、尻尾もピクピクと震えてしまう。感覚に耽るように三角耳をヘタリと伏せながら、ユーリはカイルの問いに答えた。
「ユリウスの、役に立ちたい」
「あん?」
ユーリがいうと、カイルは手を止め、そしてユーリの胸元で顔を上げた。「もっとさわって」とユーリは体を揺らしたけれど、カイルはそれよりも先に理由を言えと無言の視線で促してくる。
「僕、昔ユリウスに悪いことをしてしまったんだ、だから、それを謝りにいきたいし……んぁっ!」
話している途中で、カイルが毛布の中に潜り込んだ。唐突にぬるりと生温かい感覚がユーリの性器を包み込む。カイルが口に含んだのだ。更には、ユーリの尻尾を掴んで持ち上げると、その下にある後孔に、いつのまに用意したのか、ぬるりとした手触りの香油を塗りつけてくる。人の体に触れることに慣れたカイルの指は躊躇いなくユーリの入り口を開いていった。
「んんっ……あっ、だ、だからっ……ユリウスにその罪滅ぼしもしたくって……僕が、ユリウスのために何かできるならっ、んっ……したいなって……」
ユーリがユリウスの名前を出すたびに、カイルの指がぐちぐちとわざとらしい音をたてながら孔をほぐした。
性器は溶けそうなほどに熱いカイルの口内で舌を絡められている。早々に先端がこぼした先走りを吸いあげるような圧力に、ユーリは小刻みな呼吸に甘い吐息を混ぜながら、カイルの衣服をぎゅうと掴んだ。
「おまえが、ユリウスに何したってんだ」
「んあっ、カイル……そこで、しゃ、喋んないでっ……」
ユーリが言うと、カイルは咥えていた性器を解放し、後孔をほぐしていた指を抜いた。
ユーリの腹の下から体を持ち上げ、カイルはユーリに覆い被さりながら、ユーリを見下ろし視線を合わせた。
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