やさしいバケモノ

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ネオは、白うさぎです。 でも、大きくて、黒くて、牙があって、ふさふさのしっぽをしています。 ネオのお母さんウサギは、いつもまわりのウサギたちから、うわさされていました。 「ネオはウサギじゃあないわ。あれはバケモノよ。あんなバケモノを産んで、よく平然と生きていられるわね」 お母さんウサギは、そんなことを言うウサギたちに、言い返しました。 「ネオはやさしいいい子です。わたしの大切な子どもです」 でも、まわりのウサギたちは、ますます、お母さんウサギを責めました。 「ネオは、遠くへ追い出してしまえ!」 そう言って、お母さんウサギを、つきとばしました。 ネオは、お母さんウサギを守ろうと、つきとばしたウサギをひっかきました。 ぎゃー! そのウサギは、ネオの大きな爪にひっかかれて、血だらけになりました。 そして、それを見た他のウサギたちは、ネオをおそれて殺してしまおうと計画しました。 それを知った、お母さんウサギは、夜遅くネオにいいました。 「ネオ、あなたはほんとうは、私の子どもではないの。北の山のふもとで、死にかけているところを助けたの。ネオ、あなたのほんとうの仲間は、北の山にいるわ。今晩、北へ向かう旅へ出なさい」 「お母さん、ぼくはウサギではないんだね。ほんとうの仲間ってだれ?」 「ほんとうのあなたの仲間は、あなたと同じ姿をしているわ。その仲間をさがしなさい」 ネオは、その夜、ウサギの村をそっと抜け出しました。 ほんとうの仲間をもとめて、、。 つづく、、
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