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ーーその日は、久しぶりに藤次さんが定時で帰って来たから、嬉しくて晩酌一緒にして、程よく酔っていたからなのかもしれない。
座って呑んでる藤次さんに何度も頬にチュッチュッて、悪ふざけでキスしてふざけてたら、急にこっちを向かれ、唇にキスをされる。
「ん…」
甘ったるいお酒の味のキスは、何だかとっても気持ちよくて、フフッと笑みが溢れてきて、藤次さんの胡座をかいた膝に乗って抱きついて唇にキスしてたら、優しく頭を撫でられ、益々気持ちよくなって止まらなくなったら…
「う、う…ん…」
不意に、藤次さんの方から舌を挿れて来て、ねっとりと口の中を舐めまわされ、胸がドキッと高鳴る。
「ん…んんっ…」
息もできないくらい何度も深く口付けされてる内に、身体の芯がジンと濡れて来て…何だが、シたくなってきて…
でも、藤次さん明日も早いし、大きな裁判あるって言ってたから忙しいだろうし、そろそろ止めなきゃって冷静になって、口を自分から離して、藤次さんの口元を手で塞いでもう止めましょって言ったら…
「今更お預けして逃げるなや。しよ…」
「あ…」
口元を覆っていた手をどかし私を見つめる藤次さんは、さっきまで笑って可愛い可愛いと戯けていたお調子者の顔じゃなくて、私を口説いてくるときの…男の人の顔で、みるみる顔が赤くなってきて、恥ずかしくて、小さくダメって言ったら、そのまま手首を抑えつけられたまま、その場に押し倒される。
「と、藤次さんダメ…あ、明日お仕事…」
「そんなんどうでもええ。…好きや…」
「あ…」
ーーずるい。
その顔で、そんな…私の中の女を刺激する最上級の口説き文句言われたら、もう…身を委ねて快楽に溺れるしかない。
抵抗しなくなった私を満足げに見つめながら、藤次さんは私の服に手を掛け脱がしながら、自分も脱いでいく。
浅黒い肌で覆われた胸板が服の隙間から見えた瞬間、胸が張り裂けそうなくらい高鳴ってきて、早くその胸で抱きしめてほしいと思っていたら、強く抱かれ、耳元で囁かれる。
「そない物欲しそうなエロい顔すなや。どこまで俺を誘惑する気ぃやねん。ほんま、罪づくりな女や。可愛い…」
「や、あっ…!」
言って首筋に胸元にキスされて、藤次さんはどんどん私の身体を愛撫してくる。
その一つ一つの行為に、私の身体は悔しいくらい悦びに震えて、下半身…女の部分はトロトロと濡れて、私の理性とは裏腹に、早く触って欲しいと腰が妖しく動く。
すると、藤次さんの筋ばった細く長い中指が、私の膣内に挿れられる。
「エロ…もう熱々でぐちゃぐちゃやん。締め付けてくるし、一本じゃ満足できんやろ…ほら…」
「あ!」
つぷっと、人差し指も挿れられ、2本の指が私の中を悪戯に刺激して、気持ちよくさせられて、声を上げていたら、同時に胸の先を舐められて、いよいよ余裕がなくなる。
「藤次さん!あ!だめっ!!なにか出ちゃう!!やめて!!あっ!ああ!!やっ!!」
瞬間だった。
チカっと周りが光って、それまで強張っていた身体は脱力し、藤次さんの指を咥え込んだ女の部分からは、温かいものがとめどなく溢れてくる。
肩で息をしながら指を引き抜かれる感触すら気持ちよく震えていると、藤次さんが私の口元に自身の勃った男性器を持ってきたから、優しく手で包んで扱きながら、それを口に咥え込む。
「ん…気持ち。もっと先っぽに舌絡ませて?…ああ、ええ…」
言われるまま、口と手で扱いていくと、藤次さんの甘い吐息と声が耳をついて、それが心地よくて、何もされてないのに股はどんどん濡れて来て、口の中のコレが欲しくて、欲しくて…
すると、藤次さんから腰を引いて口内から抜かれて、そっと頭を撫でられ、また囁かれる。
「せやから、そないもの欲しそうなエロい顔で煽るな。余裕のうなって、優しくできんなるやないか。阿呆…」
「だって…」
ーーだからずるい。
そんな欲しがりな顔をさせるまで蕩けるような甘いセックスを、私の身体に散々覚えさせてきたのは、誰よ…
そう思っていたら顔に出たのか、藤次さんは笑って私の口に優しくキスをしながら、ゆっくり私の脚を割開き、膣口に先端を擦り付ける。
「藤次さん…」
唾液に塗れた唇を動かして名前を呼んだ瞬間、藤次さんが膣内に挿入ってきて、身体は悦びに震える。
繋がった部分は益々濡れて、いやらしい水音が耳を突き、羞恥心でどうにかなりそうだったけど、それ以上に…膣内の藤次さんが気持ちよくて、身体にしがみついて喘いでいたら、抱き起こされて下から突き上げられ、乱れた髪の毛が顔の前に来たから、掻き上げた瞬間また口付けられ、互いの唾液を絡めあい密着して、一つになっていく…
そんな行為を何度も何度もして、互いに上り詰めて、いよいよ藤次さんが荒々しく息を吐きながら小さく呻く。
「あかん…出るっ!」
「あっ!」
ーー瞬間。
藤次さんの…私を求めてくれる人の欠片が、私の胎内に注がれていく。
その欠片も、私の奥にいる私の欠片を求めてやってきて、やがてこうして一つになって、新しい命になっていく…
そう思うと、嬉しくて…荒く息を吐きながら私に覆い被さってくる藤次さんを抱きしめながら、そっと耳元で囁いた。
愛してるわ。藤次さん…
と…
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