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終局
★
御殿は女中たちの噂話で持ちきりであった。
子らの死はやはり悪霊の仕業であった。悪霊は寧々子様に憑き、子の姿に化けて惑わせていた。気づいた尼音は寧々子様を追い、身を挺して悪霊を払ったのだと。
奥方らは咽び泣いて尼音の死を嘆いた。寧々子は尼音の死と己の責任を口実にして御殿を去った。
だが、鳥籠から飛び立つ寧々子の顔は晴れ晴れとしていて、まるで気高き野鳥のように見えた。
竜規は寧々子を見送った後、奥方らを集めて栄華の狼煙を上げた。
「さあ、白垣は呪いから解き放たれた。恐れることはない、今一度、わが子をその胸に抱きかかえてみようではないか」
以来、白垣の血は絶えることなく、その地は豊かに栄え続けたという。
おわり
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