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結局のところ、聞かされた怪異も、言ってきた男のほうも異質的なので。
なるべくなら逆らいたくない。
「返事をしなければいいんですね、気をつけます」
了承した素振りをみせつつも半信半疑で、トンネルへと進んで行った。
そうして身体が完全にトンネルの暗がりへと覆われたその瞬間に。
美しい顔立ちの白い着物を着た女性が突如として至近距離に出現した。
「......!!」
危うく声を出しかけてしまった!しょっぱなから難易度が高すぎだろ!
こんなの......驚いて叫ぶか驚きすぎて声を出せないかの二択じゃないか!
かろうじて俺は後者だった。
恐いより先に驚かされたことに不快になり、俺は女をみつめた。
いかにも人を見下した目で女がニヤついている。
ムカついたが、無視を決め込んで前進することにした。
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