第二部 七空村

18/50
前へ
/199ページ
次へ
「七という数字は不完全で嫌なんだ。本当は八のほうがいいんだ。 だからオイラたちは、七空に生れた子が15歳になったら 体内に取り入れる。そうして魂が八つになるんだ。 そしたら本物の神様にもなれるからな」 俺たちが驚愕すると同時に甲高い悲鳴が竹藪すべてを震わせた。 中谷さんとの散歩から帰宅した母が。 七紅の言葉を聞いてしまったのだ。 人がここまで叫べるものなのかと恐ろしくなるほどの 慟哭が響き続けた。 理由のわからない中谷さんが救急車を呼んでくれた。 そして俺たちは......。 別の意味で震えあがっていた。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加