第二部 七空村

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俺は学校に行かなくなった。 行っても意味がないと感じてきたからだ。 15歳で神になるのなら高校受験も必要ないのだから。 中谷さんはそれに対して何も言わず、聞かず、遅くに起きてくる俺に 朝食を作ってくれた。 昼から出かけようとすると弁当まで持たせてくれた。 「甘やかしすぎじゃない?よその子とはいえ」   冗談も真剣も含めて俺は中谷さんに言ってみた。 「眞麗くん、あんたまだ13歳なんだから、 知らない世界がたくさんあるのよ。 いいんじゃない?たまには好き勝手やってみても。 ずっとだと、さすがに止めるけどね。 それに、出歩いて悪いことする子じゃない。他人のあたしにだって それは、わかるわよ!」 俺は笑って礼を言って、誰もいない公園で泣きながら弁当を食べた。 違うんだ。 違うんんだよ、中谷さん。 俺にはもう世界なんて知ることはできないんだ。 それを知れるのは藤生のほうなんだよ.......。 俺は藤生とあまり話さなくなっていて。 藤生も俺にどう接していいのか戸惑っていた。 そして父は完全に会社を手放し、無職になり、転職せずに車で 出かけるようになった。 父は父なりに必死だったのだ。 地方の信頼できる霊能力者や、寺や神社を回って、七紅を 除霊する方法を探していた。 自分が、自分の命が、まだ見捨てられていないと知れて......。 俺は俺なりに七紅を倒す方法を調べようと、やはり遠出をしてみた。 『魑魅魍魎捕獲管理機関』があると知ったのは、そのときだった
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