第二部 七空村

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「兄さん、いつまで寝てるの?そろそろ起きてくれないと困るよ」 藤生の声がする。   低血圧の俺は寝起きが悪く。 毎朝、先に起きた藤生が起こしてくれていた。 「もうちょっと寝かしてくれよぉ......」 「そんなのいつまでたっても起きないでしょ!」 そうして布団を剝がされて無理矢理に腕を引っ張られるのだ。 あぁ、いつも通りだ。 戻れたんだ、この日常に。
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