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確かに神になった七紅の力は偉大だった。
俺が普通の中学二年として再生活して、そのまま生きていけるように
『世界』に組み込まれていたのだ。
たぶん、それを構築するのに冬から春までかかったのだろう。
設定としては.....。
『七空村』というものが存在していて、俺はその村の長の長男として
生まれたので、実家を継ぐことになっていた。
しかし跡取りを嫌がり、弟にすべてを譲ることを条件として絶縁した。
義務教育の中学を卒業するまでは実家に住まわされるが、高校からは
家を出て七空家とは、すべての関わりを持たずに生きていく。
その後の生活自体は保証されるので莫大な金が与えられる。
町の人々はそれを認識していたし、戸籍も家の権利書も父の口座も
健在だった。
俺が身分証明をするために必要な、父の肩書まで偽造されていた。
七紅の世話になって生きるのは抵抗もあったが......。
俺はそれに従った。
藤生が命がけで助けてくれた命だ。
それを粗末にはできないと決意したからだ。
とりあえず義務教育の中学生のあいだは、家政婦の世話になり
両親と弟は架空の本家に住んでいることになっている。
もちろん両親の眠る寝室は『無いもの』として、七紅は家政婦の
意識を押して操作していた。
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