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「ペーパードライバーっていうか。
もう動かし方なんて忘れたからなあ。
教習所で講習を受けないと無理、せっかくの新車が
秒単位でキズだらけになっちまうよ」
マジで、買ってから業者に頼んで運転して運んでもらった。
俺はドアさえ開けていない。
「車は乗ってこそです!
それにしても、赤を選んだのは意外だったかなあ」
クリタが改めて俺の新車の赤い軽自動車を見た。
「赤っていうか、紅色に近いものを選んだ」
「紅色?好きな色は白でしょ?たくさん話してきたから知ってるよ」
「嫌いな色だよ」
「えーっ、なんで嫌いな色にしたの?」
「嫌いなものを克服しようとおもって」
「色でそんな必要ある?食べ物とかならともかく」
「まあまあ、2人とも、いいから家に入りましょうよ。
茜、夕飯はなに?」
「みんなであったまれるように鍋にしたよ」
「おっ!わかってるじゃん!」
人の家にきたのに、えらい自由だな、この夫婦。
章真さんとクリタは、ようやく入籍だけはした。
正式に村中で祝う祝宴は、まだ少し先になるのだそうだ。
「おかえりなさーい、章真さん、落合様」
「おかえり。転居の手続きは無事にできたかい?」
恵麻さんと陽輝恵氏まで来ていた。
家族ごとかよ!
まあ陽輝家から近いっちゃ近いわけだが。
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