第三部 最終決戦

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「それで?恵さんは好物は油揚げですか?」 正体がキツネの神様である彼に対して、俺はちょっとしたイヤミをこめて 言ってみた。 「いえ、茶わん蒸しですよ」   なんのためらいもなくサラリと恵氏が言った、茶わん蒸しを食べながら。 「茶わん蒸しは私が作ったのよ、愛する旦那様のためにね。 それにしても中身にキノコ類をいれてなくて良かった~! セーフ、セーフ!」 おどけたポーズまで見せる恵麻さんも、ずいぶんと人間らしく なったものだ。 「あはははははっ」 そこで急にクリタが笑い出した。 「え、なに?なんか変なもん食ったのか、クリタ!」 「だって、キツネの神様だからって油揚げが好きか聞くなんてさ、 落合さん安直すぎ!」 「はいはい、すみませんね。どうせ俺は、え......は? えっ、えええええええええっ!」 俺はおもわず椅子から立ち上がった。 「クリタ!おまえいまなんて言った!!」 「落合さんは安直すぎって。あははっ、その前でしょ? 知ってるよ、ちゃんと聞かされたから。 あのね、家族4人になったことだし、 家のなかで隠し事は無しにしようって。 何もかも話してくれたよ。お義父さんが。 神社のお供えの大福も、和を増やしてみんなで作って、みんなで食べてるよ」 「マジかぁ......」 「落合さん、僕も養子になってから初めて聞かされたんですよ」 「落合さんでも見抜けなかった? 我が家の勝ちだね」  なんだこの最強夫婦は! 「そういう問題じゃねえわあ~」 俺は座り込んだ。 椅子ではなく床へと......。
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