第三部 最終決戦

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「うわっ、すげえ良い香り、なんだこの茶は。茶菓子も欲しくなるな。 座布団より、菓子を持ってこいっつーの」 値段はいくらだろう?なんて気になるほど豪華さのある急須と 湯呑み茶碗は、中身もすごかった。 「菓子で和やかに話せるようなことではない」 「な、なんだよ?」 「いつか話したかったことだ」 「ふーん」 俺は差布団に座ったまま両足を伸ばした。   「恵麻が口悪い女になってしまったのは、理由があるのだよ。 言い訳にしかならぬのだが......」 「ものごとには何でも理由があるもんだよ、話してみろよ」 「えらそうだな」 「いまさらあんたに遠慮がいるかよ、いいから話せって。 あんたも遠慮なく、いくらでも言ってこい」 「儂はな、この服が普段着だった頃、遠い遠い昔に とある村の守り神をしておったのだよ。 80人ほどの住む小さな村を。とても豊かな暮らしにあふれた村を。 だがな、儂と恵麻がほんのわずかなあいだ、村を離れていた隙に。 盗賊団が押し入り、村を全滅させてしまったのだ。 たった1人の赤子を除いて、惨殺されていた......」 俺は反射的に座り直した。 ダラダラとした態度で聞けることではなかったからだ。
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