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「陽輝家の皆さん、ありがとう、クリタを幸せにしてくれて。
俺は、クリタに命を救われて......ここまで来れました。
その命を無駄にしない為に。
そして、この温かい家族のように幸せだった、
俺の家族の為に、行ってきます」
出かける日、陽輝家の4人が町の駅まで来て見送ってくれた。
「落合さん、行ってらっしゃい。そして必ず帰ってきてね。
おかえりって、言わせてね」
少し不安げな顔のクリタへと、俺は少しだけ笑った。
「ただいまを言うために、俺は行くよ」
絶対にクリタを悲しませるわけにはいけない。
それはもう親友としてだけでなく、陽輝家の人間としても。
『おかえり』と『ただいま』の約束を果たす為にと。
俺は決意を固めた。
―――完―――
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