第三部 最終決戦

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「何年振りだろう......」と、つぶやいてみる。 青々とした竹藪に囲まれた長い石段を登った先に 和風な平屋の屋敷がある。 時の止まってしまった家が......。 門や囲いはなく、屋敷だけがある。 部屋数が多く、見た目の和風さに反して中の作りは洋風に近い。 日当たりの良い位置に縁側と庭があり、そこに百日紅が植えられている。 「桜......?」 石段を上がるのに息を切らして汗をかいたのは、俺がオッサンに なったせいと思ったが、違っていた。   我が家は、その周辺は......春の陽気だったのだ。
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