第一部 闇から雨のち晴れ

13/40
前へ
/199ページ
次へ
「死にたがるってね、みっともない人間になった証拠。 さっさと死んじゃえばいいのに、死にたい、死にたいってさ そればっかり、行動に出せない、単なる甘え」 女は綺麗な顔を歪ませていた。 俺は、クリタは、死にたくて、死ねなくて、だけど......。 だけどそれは。 「やめろ!!やめてくれ!やめてくれ......!  みんな、みんな、苦しんでるんだ! 死にたいんじゃない、生きていくのが辛いんだ、俺もクリタも!」 反射的に俺は怒鳴っていた。 「あっ......!」
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加