1人が本棚に入れています
本棚に追加
女が中途半端に顔をひきつらせて静止して、そして......。
「喋った......」
と、つぶやいた。
「しゃべったねえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
あははははははははははははははははははははは!!!」
と、甲高く叫び、笑い出した。
反射的に後ずさり、つまづき、俺は地面に倒れこんだ。
女はすさまじい形相で笑い続け、異質な反響音にトンネルが支配される。
「うるせぇっ......!!ぐっ......うぅっ......!!」
声の圧力に耐え切れず、両手で頭を覆ってうずくまった。
骨がきしんで、身体中がこわばり、内蔵がうねりを上げ、吐き気がして、
喉が焼けるような息苦しさに口を開けたが、うまく息ができない。
死ぬよな、これは確かに魂を吸われて殺される。
くそっ、こんなことで!
こんな終わり方をするのか......俺は。
確かに俺は自ら死のうとした。
しかしいまは、生きたい、生きなければならない。
このままでは......クリタを救えない、救えないまま死にたくない。
クリタ、クリタ、クリタ......。
そこで意識が途切れて倒れ込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!