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「いやはや、友人の恋人の義理の父親が神様とか。ややこしいなあ。
こっちが驚きまくったわ。
わかったときに、章真さんの前で平静を装うのに苦労したんだぜ?」
「なぜだ、なぜわかった? 声も姿も完璧に変えておったのに!」
「まあ、そうだな、そこはお見事だったよ。
神様のときと違って口調も普通だったし。でもな、気づいたのは......。
あんたが俺に、トンネルに入る前に言った言葉だよ」
「なんだ?儂が何を言うたと?」
「章真さんのこと、よく知ってたじゃん。そんで、こう言ったよな。
『彼は立派に成長してくれた、自慢できるような良い子に育った』と。
成人した男性を『気立ての良い青年』とか『立派な若者』とか言うなら
まだしも「良い子」は、ちょっとだけ違和感あったんだよ。
そしたら陽輝恵が同じことを言った「良い子に育った」と......。
そもそも自慢できる立場は、育ててきた親にしか言えないよな。
それからな、晴神様も陽輝恵氏も、どこかしら常識が抜け落ちてて
そこも共通した。
神様は悪口に対して甘さがあった。
恵さんは大学を中退させてまで結婚しろなんて無茶を言ってきた。
なーんか、似てる感覚がしたんだよ。マジで当たってたか」
「おまえ......凄いのだな!」
「いや、あんたのほうがすげえだろ!」
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