第一部 闇から雨のち晴れ

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「あなた、晴神様に言ってくださいましたよね。 もっと現代社会を学べと。 そして......誹謗や中傷はすべきではないと。 あれから私、晴神様から解き伏せられました。 私のやってきたことがいかに間違っていたのかを。 そして、悪質な言動を正すことができました」 「え、え、え?、いや、確かに言葉遣いが綺麗になってます」 俺があのとき、こともあろうに神様相手にブチキレた発言を 晴神は実行したというわけか! それで半年ちょっとで、ここまで別人に変えれるとは......。 神様やっぱり半端ねえな! いや、それもあるだろうけど、彼女が率直に従ったからこそなのだ。 それはそれですげえな! 「あ......別にもう気にしてないっすよ」 じつは、ずっと傷ついたままでいた......とは言えなかった。 彼女が確かに立派に更生しているのが、目に見えてわかったからだ。 「あぁ、よかった! あ、あれからトンネルを通す仕組みもやめました。 ですが、よそ者が入り込むときに内面を読んで、悪人か善人かは 見張っています。それは私の使命として続けるべきですから」 そうか、もう誰もがトンネルは通らずに済んだわけか。 良かった......。 もう、あんな暴言は誰にも体験してほしくない。
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