第二部 猫と探偵と高円寺

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「言ったでしょ、綺麗好きで整理整頓してるタイプだって。 でもこれは開きっぱなし。ここに何かがあると考えるべきですよね」 確かに......。 ノートPCは閉じられないままでそこにあり、画面が真っ暗だった。 それもやっぱり埃だらけになっている。 「え、PCをみちゃうんですか? それは......さすがにプライバシーの侵害ですよ! あ、ロックがかかってるかも」 「開きましたよ」 「ほげぇっ!」 落合さんがエンターキーを押したら画面が普通に出てきた。 「ちょっと、ダメですよ!男の子ですよ! エッチな画像とかでてくるかも?」 「それはそれで健全だと思いますけど。 べつにエッチじゃないですよ、ほら」 落合さんに促されてみてみると......それは何かの編集ページだった。 「これ、ブログ?」 芸能人や著名人がよく使う人気ブログサイトの『管理画面』が出た。 どうやら下書きのページらしい。 「お、落合さん、ブログともなると尚更に個人情報ですよ。 やっぱり見ないほうが.......」 「そうかなあ?俺には『みてほしい』という メッセージに感じますけど?」 「え?」 「その為に開きっぱなしにして、目立たせていたんじゃないかな? 俺は部屋に入ってすぐに、PCのあるテーブルに目がいきましたよ。 それに、画面がすぐ開くってすごくないですか? 一週間も経つのに。 ロックしないとしても、自動的にシャットダウンするか、もしくは、 再起動される可能性のほうが高い。でも、それらがされないように 設定していた。木鷺坂上くん自身が。そう考えられます」
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