第二部 猫と探偵と高円寺

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「事情を話してくれませんかね? キイロくんの恋愛のことを」 落合さんが立ち上がり、声も低くして。 真剣な目で言ってきた。 「恋愛......ですか?」 「はい」 「あの、この文面を読んで、その、変な感じとか、そういうのは?」 「変なのは、もう最初からずっとなんで。それは後回し。 俺が知らないのはキイロくんの恋愛事情なんで」 「そう、ですか......。わかりました。お話しします。 キイロくんは、アマチュアミュージシャンに恋をしたんです」 この探偵、落合さんには......もうなにもかも適わない。 こうしてあたしは、話し始めた。 キイロくんの秘めたる恋について。
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