第二部 猫と探偵と高円寺

30/45
前へ
/199ページ
次へ
「ほーい、どうもー、魑魅魍魎捕獲管理機関に利用されまくった ワタクシです!」 閉店後、シャッターを閉めた表の入り口ではなく、裏口であり 事務所であり、従業員の休憩室になっている部屋。 そこへ来た落合さんが、おどけて敬礼をしながら言った。 「あぁ、おまわりさんのポーズやめてください、軽くトラウマ......。 え?それいま言っちゃう?」 店長の猪熊さんがいるのに? そもそも、あたしと店長に用事って? 「お疲れさまでした。落合くん。 そしてポンちゃんを救ってくれてありがとね。 この子ね、かわいいでしょ? ドジッ子だけど、素直なところが良いんだよねえ」 は? 猪熊さん? なに言ってんの? 「えぇ、かわいいっすねぇ。 猪熊さんが面倒みてあげたくなる気持ち、よくわかりましたよ」 「お、落合さん?」 「ポンさん、神様が店長の職場で2年も働いてたんですよ」 「なんですか?それえええええええええ!」 落合さんと猪熊さんが顔を見合わせながら笑っている。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加