第二部 猫と探偵と高円寺

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「おっ、三階の探偵くんじゃん、また来てくれて嬉しいねえ」 「自宅からライヴに行けるなんてうらやましいです」 キイロくんがハイボールを飲みながら言った。 「いやいや、今日はあちこち動き回って、疲れたんで、 休みにきました。もちろんライヴも楽しみですよ」 「探偵は足で稼ぐんだよな、お疲れさん」 そうこう言ってるうちに開演時間になり、涙図が先に演った。 ロックの王道を行くって感じでカッコよかった。 そして機材の片づけと新しいセッティング。 「あっ!」 落合さんが叫んだ。 声のほうを観ると、手の平サイズのベージュ色の光の玉が浮いていた。 「あれだけ探してもいなかったのに、こんなところに!」 落合さんが光へと突進していく。 しかし光はスルリと別方向へと飛んでいった。
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