第二部 猫と探偵と高円寺

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「ポンさん、メモとペンあります?借してもらえませんか?」 「あ、はい」 肩掛けバッグの中から取り出して渡した。 「どうして付いてきた?あんなに捕まらなかったのに」 落合さんがペンの蓋を開けてウリ坊ちゃんに差し出し、メモ帳を 見せた。 ウリ坊ちゃんがペンをくわえてメモ帳に書き始めた。 かわいいいいい!と、叫ぶのを、どうにかこらえた。 『英輝さん、お歌、とっても良かった。 はしゃぎたくなるほど。 ステキなものを見せてくれたから、 落合さん、七空眞麗さんに感謝。 それからね、木鷺坂上くんの涙、 とっても清らかだった。 心が洗われた。 それからね、ポンちゃんも けなげでかわいい 落合さんについていったら とてもいいことありそう そんな予感がした。 よろしくね、よろしくね』
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