第二部 猫と探偵と高円寺

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たどたどしくも読める範囲でウリ坊ちゃんは書いてきて、それから 空中で身体を曲げてお辞儀した。 「俺だってさ」 ベンとメモ用紙を返しながら落合さんが言ってきた。 「あの、捕らえるよう言われたんですよね?機関に。 これでいいんですか?」 「確認してみます」 落合さんがジャケットからスマホを取り出して、電話している。 「あ、どうも落合っす。あのですね、超亡霊を捕まえたらね、 俺んところ来たいって、どうします?はい?はい、はい、 あ、はーい、失礼しまーすっ」 なんか軽いノリだった。 「俺が所有していいそうです」 「軽いっ!」 「というわけで、よろしくな」 ウリ坊ちゃんが一回転した。 そして茶色と黒の縞模様のペンダントになって、落合さんの首にかかった。 「器用っ!」
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