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とりあえずと俺たちは同じベンチに座った。
「泣き方が気になったって、どういうことですか?」
まだ鼻をかみながら女性が言ってきた。
「子供を見る目が嬉しそうだった。
うちの家ってね、子供を見る母の眼差しの美しさ......。
それが目に焼き付いてるんですよ。
それと同じなのに、なんで泣いてるのかなあ?って」
女性がペットボトルを持つ手に力をいれた。
「私ね、子供が産めない身体だからって、姑に離婚させられたんです。
長男を、後継ぎを産めない女なんて必要ないって......」
「そういうこだわり、やっぱりまだあるのか」
「まだ?」
「はい、俺は双子の長男だからって、後継ぎにされました」
「受け入れたんですか?」
「いえ、色々あって継ぎませんでした」
「よかった」
「まあ、よくないことばかり起こりましたけどね」
「そうですか......私のように幸せになってほしいです」
「え?」
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