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「私ね、再婚できたんです。相手は子供がいなくてもいいって、
そう言ってくれて。彼の家族も受け入れてくれて。
嬉しくてね、もう苦しまなくてもいいんだって。
そしたら、子供をみると辛かったのが、自然と愛しくみえて。
それで泣いていたんです。子供たちごと世界が愛しくて」
「そうだったんですか。よかった、嬉しさの涙だったんですね」
俺は、ふと恵麻さんのことを考えた。
彼女もまた、子供を産めない身体の女性だ。
人の姿をしていても、身体の形成的に妊娠する機能が無いのだ。
恵麻さんもこんな悲しみを抱えているのだろうか?
どうにか希望の持てる道があって欲しい......。
「私、自殺サイトでブログを書いていたほどなんです」
「え?」
「それなりに人気ブログだったんですよ『王生、行ってきます』
名字が『いくるみ』っていう、珍しい名字で。
いまは再婚して石川(いしかわ)ですけど」
俺は思わず座っていたベンチから身を乗り出した。
「そのブログ、俺も見てました!」
「えぇっ?」
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