第二部 七空村

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「あ、夕飯の買い物に行かなきゃ。これで失礼します。 それにしてもすごい偶然、会えて良かったです」 王生さんと二人でベンチから立ち上がった。 「俺も、生存確認と、そして立ち直れたこと。 みんな生きてて、ほんとうによかった。 ところで、あなたは?」 「はい?」 「幸せですか?生き延びることができて」 俺は微妙な笑みしか見せられなかった。 「これから、幸せになろうとしています」 「これから?」 「なってみせます」 王生さんが微笑んだ。 「すみせん、ちょっと」 王生さんが自販機までいってペットボトルの水を買って、差し出してきた。 「水を分け与えましょう。これは、あなたへのエールです」 俺は泣きそうになってこらえた。
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