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『さるすべり』という名は『猿が滑るほどなめらかな樹木』
という意味合いがある。
百日紅には様々な種類があり、我が家に植えられた木は
薄紅色の花を咲かせた。
そして、その名の通りに猿が寄って来た。
しかも7匹も。
その猿たちは毎日、昼から夕暮れ時まで百日紅で遊ぶようになった。
登り切れぬのに滑り続け、それさえ楽しむかのように飽きもせずに
登っては滑り、それを繰り返していた。
専業主婦の母は、俺たちが手のかからない小学生になってから
暇をもてあまし、猿たちを可愛がるようになった。
猿は無邪気に鳴き、凶暴性が無く、危害を加えずにいる。
両親は安心して接していた。
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