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「兄さん、兄さんはやりたいことはないの?
会社を継ぐって、それだけでいいの?」
藤生にそう聞かれても、俺には具体的には思いつかなかった。
「うーん、探偵?なんだかカッコイイじゃん?
難事件を次々と解決ってさ」
「いいね!兄さんは、僕が見落とすような、
いろんなことにすぐ気づくから、やっぱりそれだよ」
「どのみち無理。獣医より難しそうな気がする。
それに、父さんがやらせてくれないよ」
この家は、元は貧しかったそうだ。
それを自身の力のみで地位も名誉も財力も築き上げた父は
すべてを守ろうと闇雲になっていた。
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