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「女王陛下……」
「ベルフォート侯爵、なに勝手に死のうとしているの! 私を支えて、過ちを犯したら正すのが貴方の役割でしょう。もし罰がほしいというのなら、今後もこの国を繁栄するためにも尽力することを罰にするわ」
わぁ―、自分で言っておきながら、なんて鬼畜発言!
倒れたのも無茶な作戦を提案した私のせいなのに! 我ながらなんという無茶振り!
ごめん〜侯爵。でもここまでいわないとまた切腹とか自決しそうだし! あ、でもこれで不満が出て離反されるんじゃ?
「な、なんという慈悲深きお言葉……。主人を危険な目に遭わせた私にそのようなお言葉を……! 今後も誠心誠意お仕え申し上げます」
「(大丈夫だった──いや! ブラック会社も真っ青な社畜育成だけは阻止しなきゃ!)あ、うん。えっと、ほどほどに、ね」
「アメリア、俺にも罰を与えてほしい」
「!?」
目覚めて早々こんなことをいうのは、やっぱりウィルフリードらしい。
ローザから蜂蜜レモン水を口にしてから罰について考える。私を死に追いやったことかしら? でも結果的に、この未来に辿り着いたキッカケなのだから──。
そういえば魔神が出現した時に、死に急ぐような言葉を連発していたような?
もしかしなくても自殺願望?
うーん、自己犠牲強い忠義者だもんなぁ。
うん、推しが幸せになることが一番だわ。
「ウィルフリード。貴方は勝手に死ぬことを許さない。これからは私の傍で、私を守る剣と盾になりなさい。軽率に自分を傷つけることも許可しないわ」
「アメリア……君は……」
ふふん、これでウィルフリードも無茶はしないでしょう。いやー勝手に剣だけじゃなくて、守る盾の役割まで果たせって、鬼よね〜。
でも罰は罰だもの! それに推しの傍にいるチャンスを逃すものですか!
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