第35話 目覚めたらツッコミ役が不在だったようで

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 ウィルフリードは言葉を噛みしめている間に、さらに四対八翼へと成長を遂げたのだけれど、何故。これ罰なんだけど……。  体を震わせつつ、私に片膝を突いて頭を下げた。騎士の忠義ポーズ!   え、眼福なんだけれど!? 今の無茶振りでなぜ!? 「感謝する。アメリア……俺は……今後、君の剣であり、盾であるためより一層忠義を尽くす」 「そ、そうしてちょうだい」  目を潤ませて少し頬を染めるウィルフリードに、ベルフォート侯爵が肩を叩いていた。  ルイスやローザも妙に好意的だ。打ち解けるの早くない?   いやルイスとローザは昔から面識があったかもだけれど、私が眠っている間に一体なにが? 「……ところでアメリア。彼らとの関係性を聞いても良いだろうか」 「ん?」 「いやなんとも要領を得ない答えだったので……」  彼らとは、魔王アルムガルドたちのことだろうか。 「アルムガルドたちに、なんて聞いたの?」 「アメリアとどういう関係なのか、と」 「ストレートに聞いたのね」 「余は大親友と答えたまでだ。ちなみに同棲しているとも伝えておいた」 「同棲というより、間借りしているだけでしょうが」 「なるほど……間借り」 「僕は家族だと伝えている。白兎(シア)の産みの親だし」 「そうだった。エーレンとは家族の定義について話す予定だったわね。……というか、いつの間に来たの?」 「君が目を覚ましたのなら、駆けつけないわけにはいかないだろう。なにせ家族なのだから」  全身白服のエーレンは唐突に姿を見せるのだからビックリする。私の作ったゴーレムの白兎(シア)は彼の肩にちょこんと乗っていて元気そうだ。  相変わらず家族の定義というか解釈がズレている気がする。うん、落ち着いたらしっかりその当たりの常識をお伝えしておこう。
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