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ウィルフリードは言葉を噛みしめている間に、さらに四対八翼へと成長を遂げたのだけれど、何故。これ罰なんだけど……。
体を震わせつつ、私に片膝を突いて頭を下げた。騎士の忠義ポーズ!
え、眼福なんだけれど!? 今の無茶振りでなぜ!?
「感謝する。アメリア……俺は……今後、君の剣であり、盾であるためより一層忠義を尽くす」
「そ、そうしてちょうだい」
目を潤ませて少し頬を染めるウィルフリードに、ベルフォート侯爵が肩を叩いていた。
ルイスやローザも妙に好意的だ。打ち解けるの早くない?
いやルイスとローザは昔から面識があったかもだけれど、私が眠っている間に一体なにが?
「……ところでアメリア。彼らとの関係性を聞いても良いだろうか」
「ん?」
「いやなんとも要領を得ない答えだったので……」
彼らとは、魔王アルムガルドたちのことだろうか。
「アルムガルドたちに、なんて聞いたの?」
「アメリアとどういう関係なのか、と」
「ストレートに聞いたのね」
「余は大親友と答えたまでだ。ちなみに同棲しているとも伝えておいた」
「同棲というより、間借りしているだけでしょうが」
「なるほど……間借り」
「僕は家族だと伝えている。白兎の産みの親だし」
「そうだった。エーレンとは家族の定義について話す予定だったわね。……というか、いつの間に来たの?」
「君が目を覚ましたのなら、駆けつけないわけにはいかないだろう。なにせ家族なのだから」
全身白服のエーレンは唐突に姿を見せるのだからビックリする。私の作ったゴーレムの白兎は彼の肩にちょこんと乗っていて元気そうだ。
相変わらず家族の定義というか解釈がズレている気がする。うん、落ち着いたらしっかりその当たりの常識をお伝えしておこう。
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