グラン・ギニョルを一匙

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グラン・ギニョルを一匙

 グラン・ギニョルなどという単語を知ったのは、ごく最近だ。  知ったといっても理解できているわけではない。というより、理解云々ではなく、実際に読んで触れて味わうことが手っ取り早い。  グラン・ギニョル……ざっくり書くと「血生臭い大衆芝居」。  私が初めて触れたのは、古屋兎丸の漫画『ライチ☆光クラブ』だった。  そもそも、私はこの作品も古屋先生もまったく存じ上げなかった。それほどまでに別世界の作品だったとしか言えない。  きっかけはインターネットだった。  たまたま『ライチ☆光クラブ』が実写映画化するという記事を読み、BLレーダーが素早く反応したのだ(←威張れることではない)。  紹介されていた映画の内容も、原作漫画の試し読みも、己の脳が反転しそうなほど衝撃的なものだった。即、漫画はAmaz〇nで買った。手元に届いた後は貪り読み、読後はかつてないほどの虚無感に見舞われた。  ここで言葉を重ねて解説は難しい。逃げてます、すんません(笑)。  グラン・ギニョルを検索すると、「残酷」、「荒唐無稽」、「血生臭い」といった単語が羅列するが、それだけでは語り尽くせない。  もう少しライトな感想を書くと…  エログロの要素は満載、とくに「グロ」が苦手な人は絶対に読まない方がいい。私もとくに好きなわけではないが、漫画ならまあ読み進められる。あ、でも、兄弟作品『ぼくらの☆光クラブ』のニコ(登場人物の名)の某シーンは今でも読み飛ばす。おお…(思い出して身震い)。  古屋兎丸先生、めっちゃ絵が上手い。  プロの漫画家に言うことかと思われるでしょうが、下手な人は下手なので。逆に言うと、上手いだけでは売れないという厳しい世界です。 『ライチ☆光クラブ』は時代設定的なところもあってか、よりグロテスクで古風な絵柄の印象。私は睫毛ビシッなレトロな美少女・美少年はわりと好き。  睫毛ビシッで思い出したのですが…  余談です。『ベルサイユのばら』劇場版アニメ、絵柄が淡泊すぎんか?? 私はとくにファンじゃないが、これまたネットニュースで知り、「どれどれ」と拝見したオスカル様がずいぶんとあっさりしていて拍子抜けしました。原作漫画のゴージャスさを残した方がいいのでは…オスカル様ってこの世で一番バラが似合う美しい人だし…。  話戻って、『ライチ☆光クラブ』は実写映画も観ました。  私的には最低最悪でした。  日本において未成年に演じさせることができないのは理解します。配役云々はもう仕方ない。そこはいい。嫌なら最初から観ないし。  ラスト。  なにあれ。原作漫画のいいトコ、かなり端折ってる。とくにニコの終わり方がありえんわ…。  漫画と映像は別モノ。そういうことで納得するようにしました。  ちなみに、出演者は超豪華。  ヒロインは中条あやみ。成人していたであろう間宮祥太朗が中学生を演じるという、ある意味貴重な作品かもしれん。学ラン着てるよ!
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