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山奥の村で生まれ育った俺の唯一の楽しみは野球。
いつかピッチャーとしてプロになることを夢見ていた。
ある日、幸運にも練習試合を強豪校の監督に見てもらえることになった。俺は張り切ったが、結果はホームランを何発も浴びてさんざん。
こりゃ駄目だと落ち込んでいたら
「君には才能がある。良ければうちの学校に来ないか?」
とまさかの監督直々のオファーをもらった。
半信半疑ながらも都会の学校に進学すると、嘘のように調子が良くなり俺は瞬く間に強豪校のエースに上り詰めた。
自分でも信じられない事態だったが、監督は笑った。
「山みたいな高所では空気が薄く空気抵抗も小さい。すると変化球の動きは鈍り、打球はより遠くに飛んでしまう。君はずっと実力を発揮できない場所で投げていたんだよ」
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