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1.野球観戦のお誘い
「おーっす! 哲弘! 野球観にいこーぜ!」
良く言えば元気いっぱい。悪く言えばやかましい。そんな感じの女がある日ふらりと俺の家にやってきた。
こいつの名は桑山綾面。大学2年生。俺……東哲弘の家の近くに住んでいる同い年の幼馴染。現在通っている学校は俺とは違うのだが、なんだかんだで未だに友達付き合いが続いている腐れ縁。
「あー。試合何時からだ?」
「六時ー」
俺は壁にかけられている時計に目をやる。今の時刻は三時半。まぁ、まだ余裕はあるな。
丁度ここ数日親は旅行で出かけていて不在なので、誰にも拘束されることはない。行くか。
「少し待ってな。用意すっから。……ずんだバーいるか?」
「いる!」
冷凍庫の中に硬いことで有名なアイスがあったことを思い出した。なのでこいつに与え、俺が出かける支度が終わるまでの暇つぶしにしてもらうことにした。
「かてー!」
「歯ぁ折んなよ?」
「あーい!」
季節は春先。寒さに気をつける必要があるのだ。
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