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ああ。
なんて優しいんだろう、先生は。
もしかして貴方は、
僕のこの想いを、貴方は知っているのですか。
僕を試しているのですか。
おかしな恋だとわかっています。
きっと身分不相応だと。
貴方のように落ち着きのある、歳の離れた、素敵な大人の男性が、僕のことなど相手にしてくれるはずは無いと。
わかっています。
だけどやめられないのです。
貴方のことをずっと見つめ続けていた、ある日。
僕の友人に、見抜かれてしまいました。
彼は僕の隣の席で、いつも、僕にアドバイスをくれる優しい人です。
少し前のことです。
僕が昼食を持ってくるのを忘れてきた日があったのですが、彼はその時、購買で買ったサンドイッチを分けてくれました。
”食べきれないから、いいんだ。
ただ、その代わり、登張くん。
一つ質問に答えてくれないか?”
不思議に思いながら、僕は頷きました。
“登張くん。
きみ、小樽先生のことを、好きだろう?”
ええっ。
なぜ、ばれたのだろう。
おそらく顔に出ていたのでしょうね。
返す言葉が見つからず黙っていたら、彼の顔がみるみるうちに綻んでいくのがわかりました。
“大丈夫、誰にも言いやしないさ。
確かに、素敵だもんな、小樽先生。
だけどさぁ、”
だけど、なんだって?
“きみには釣り合わないと思うなぁ。
まず、年上すぎる。
ーーーきっと相手にしてもらえないよ。”
ああ、わかっているさ。
それ以上は言わないでくれるかな?
きみに言われる筋合いはないよ。
サンドイッチ二切れごときで、僕のこの熱い想いを否定される義理など、どこにもありはしないはずだ。
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