2人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
──────────ある所の現代の話だ。
未だに城の形をした屋敷が森の隅で使われているようだ。
「最瞬お兄ちゃんは今日は何人お声になさったんですか?」
「もちろん、5人も声をかけることに成功したに決まってるじゃないか!紫夜」
目をキラつかせ、兄を慕う女の子が一人その名は紫夜。もう一人は、この物語の主人公の最瞬と言う名の青年だ。
この二人は、ただの人間ではない。両親は、二人を成長のためにと二人だけで過ごさせてきた。
だから、最瞬も紫夜も愛情を知らない。
そんな二人は、何人ものの人間を食らいついてきた。と言っても、食われた人間は生きている。
ただ食べるのでは無い。この兄妹は鉄が欲しいのだ。
鉄分になる人間の血肉を食べるのだ。
そう、二人はかの有名なヴァンパイアだった。
もちろん、両親もヴァンパイアだ。
この兄妹、いや、兄の物語が始まる。
最瞬と紫夜に迫る物語のページをめくって見ていこうではないか。
──────────果たして、愛を知ることが出来るのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!