0人が本棚に入れています
本棚に追加
さあどうだ。
意気込んでタップして、目当てのアカウントを探す。
見つけた!
ドックン。
きゅんと胸が縮む。
息を詰めて見つめる。
「さて、視聴回数は」
司馬ゆーたは、自分の目を疑った。
ゼロ?
0なんてこと、あるのか?
「うおおおおおおお、ゼロかよ、ゼロ!」
世界中に向けて発信したのに、だれ一人として見ていないというのか。
「いやー、まいった、まいった。冗談だろう?」
ぱたん、パソコンの蓋を閉じ、再度開く。
いや、何度開いても同じだから!
あれから一分もたってないから!
冷静な声が右上から降り注いでくるような気がするが無視。
「もしかしたら、ほら、見間違いかもしれないし」
そんなわけ、ないだろ。
「よく似た、別のアカウントを間違えて開いちゃったのかもしれないし」
司馬ゆーたのファーストチャレンジ、なんてダサいアカウント、間違えるわけないじゃん。
「ああ、やっぱゼロか……」
司馬ゆーたは頭を抱えてのけぞった。
何回見ても、数字は増えない。
そりゃそうだ。
「世の中、甘くねえ~」
最初のコメントを投稿しよう!