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アークの価値と守護神
「はぁはぁ。危なかった」
「あ、ああ。死ぬかと思った」
二人は、這う這うの体で橋を渡り切った。
真家は、再び持って来た古地図の示す「失われたアーク」が埋められているという山頂を指さした。
「ここが目的の場所だ。あそこに、洞窟があるだろう。この古地図の通りだ」
「そ、そうか。しかし、さっきの火災、明らかにオレ達を狙ってたよな」
印出井は、冒険者のくせに、弱気だった。
「あ? まあ、そうだな。この失われたアークが見つかれば、日本史と日本人の歴史を根底から覆す、世界的な大発見だからな」
真家は、冷静な顔つきでそう答えた。
「そ、それは価値にしてどのくらいだ?」
印出井は、冒険者とはいえ、実際は無職の夢追い人だ。早い話が良い年したフリーターなのだ。つまり、金が欲しい。
「うむ。少なく見積もって50億」
「ご、ごじゅうおく!!」
印出井は、目の玉が飛び出るほどの価値なのだ。
「ああ。だから、さっきの攻撃は、このアークを守る守護神の仕業だろう」
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