辵家核砕孔!

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辵家核砕孔!

「や、やばい! このままではオレ達は殺される!」  そう叫んだ真家は、やおら立ち止まり、なぜか指にメリケンサックを装着した。  それを見た印出井は、驚愕した。 「お、おい! 何をするんだ!」 「印出井、オレはココで死ぬかもしれん。お前だけでもアークを探しに行け!」    ゴゴゴ、ゴゴゴゴゴ  巨大な岩石が、物理法則を無視して二人目掛けて駆け上がってきた。 「行くぞ、岩石! 我が辵家流(ちゃくけりゅう)拳法の奥義、見せてやる!」  そういう間にも、巨大岩石が真家の目の前に迫った。 「真家ーーーーーーーーー! 逃げろおおおおお!」  だが、真家は岩石の前に立ちはだかり、そして右拳を岩石目掛けて突き出した。 「砕けよ、岩石! 辵家核砕孔(ちゃくけかくさいこう)!」  気合一閃! 真家の右パンチが、岩石に炸裂した。 「真家ーーーーーーーー!」    死んだ。間違いなく、真家は死んだと、印出井は思った。  ところが。  バリ、バリバリバリ  なんと、岩が粉々に砕け、その場に崩れ落ちた。 「え? マジ?」  印出井は、顎が外れるほど驚いた。  人の背丈を超える岩石を、真家は正拳突き一発で、粉々に砕いたのだ。 「ふう、この奥義を使う時が来るとはな……」
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