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剣の様な山頂
木が、少しずつ少なくなってきた。
「見えたぞ! あれが剣桃山の山頂だ!」
今まで、誰もこの山頂にたどり着けなかったのは、数々の罠があったからだと、真家は言った。
「ようやく着いたな。これで、失われたアークが手に入れば、オレは大金持ち」
印出井は、ほくそ笑んだ。
「ああ、オレは歴史を覆し、古代ユダヤ人の誇りを取り戻すことができる!」
二人は、偽りの固い握手を交わした。
(はは、お前が宝を手にした時、それがお前の最後だ)
そしてついに、二人は山頂にあと一歩のところにたどり着いた。
山頂は、その名の通り、まるで岩が剣の様に無数に突き出していて、二人の行く手を阻んでいた。
「どうすればいいんだ、真家?」
「ああ、こっちに道が開けているから、そこから行けばいい」
真家は、まるでここに来たことがあるかのように言った。
(こいつ……未踏峰のはずなのに、なぜルートを知っている? 増々怪しい。何を企んでやがる?)
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