Prologue

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 ──これはキスなんだろうか?  凛は次第に頭がぼうっとしてきた。  舌が絡み合って、飲み込みきれなかった唾液が、つっと流れたのを感じた。 「あ、……もぅ、」 「もう?」 「や……」 「こっちに聞いてみようか? そんなエロい顔して、絶対してって言わないだろ」  ──よく分かって……て? 「あ、やぁっ……」  スカートの中に手が入って、器用にも下着の中に手を入れて、直接触られたからつい、声が漏れてしまった。  凛は慌てて口元を抑える。  もう、押し退けるどころではなくて、彼にぎゅうっと捕まってしまった。  ここはオフィスで。会社の応接室で。 (どうしてこんなところでよその会社の有名なCEOに、こんなことをされてしまっているの⁉︎)  凛は思い返していた。
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