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「Heavenスタッフはボク達をどうしたいんだろう?本気で悩むよ」 「愛あるスタッフだと思うけど?」 「あの編集で?」 「あー、まー、そうだね」 「アンジュだってヒドイと思ってるでしょ?」 「少しだけ……ね」 「はぁ……」 ソユンのため息が大きく漏れた。 確かにヒドイ編集もある。 悪意っぽい感じに見えたりもする。 でも、Heavenだもん。 素に近い状態をスタッフは見せたいんだろうな。 見せ方に問題はあるけどね。 「もうお夕飯かな?」 「連絡きた?」 「スマホ見てない」 「アンジュはすぐスマホから居なくなるからね」 「ソユン、写真撮ってもいい?」 「ボクの?」 「うん」 「良いけど?」 夕陽が沈んだ海をバックにソユンを写す。 私だけに向ける笑顔。 いつもより優しい瞳。 私だけの写真。 「アンジュも撮っていい?」 「え?ヤダ」 「なんでー」 「写真は嫌いなの」 「アンジュと撮りたい」 「撮りません。ご飯に行こう」 「誤魔化すなー」 「ほら行くよ?」 「先に行かないでよ」 一足先に砂浜から腰を上げ、ソユンを置いて歩き出す。 文句を言いながらソユンは足早に私の隣にやってきた。 「もう暗いから」そう言いながら、私の手を取るソユン。 「そうだね」と返事をする私。 幸せな時間だった。
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