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「塔子せんぱーい」
昼休みも残り僅かという時刻、休憩室から戻る途中だった私、松崎 塔子の元へ、一際明るい声で名前を呼びながら駆けて来たのは後輩の西 玲奈ちゃん。
「玲奈ちゃん、どうしたの? そんなに急いで」
何か仕事でのトラブルでもあったのかと思い、急いでやって来た彼女に何事かと話を聞いてみると、
「あの塔子先輩、今日の夜、合コンに参加してくれませんか!?」
息を整えた彼女の口から出てきたのは仕事とは全く無関係な内容の話ばかりか、普段あまり聞き慣れない単語だった為、私は一瞬聞き間違いかと思い、聞こえた言葉を復唱しつつ問い掛ける。
「えっと、今、ご、合コン……とか聞こえたような気がするんだけど?」
「はい! 急に一人来られなくなったので来られる人を探しているんです!」
満面の笑顔を浮かべて頷いた玲奈ちゃんは人数が足りなくなった合コンの参加者を探しているのだと答えた。
まあ、今はまだ昼休憩中だから、プライベートな話題なのは仕方無いし、納得も出来る。
それに、合コンの参加者を探している――それについては分かったけど、何故、彼女と少し年齢が離れている自分に白羽の矢が立ったのかという事が最大の疑問だったし、合コンに参加出来ない理由が、私にはある。
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