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駐車場でバックしている車や、進行しようとする車の間を縫うように突き進む。僕が突き進むに連れ、後方ではクラクションやブレーキのけたたまし音が鳴り響く。
「わーーー! ごめんなさいーーー!!」
無人というわけじゃないのに、自動車に謝ると、下り坂を滑っていく魚を追い掛けた。……僕も滑って転びそうだよ。トホホッ。
「よっしっ!」
地下駐車場にある一台の赤い色の軽自動車に魚がぶつかりそうになる寸前に、僕は間一髪で魚を助けられた。こう、両手いっぱいを翼を羽ばたかせるかのように、後ろへ広げてそのまま前方を包み込むように。
?!
「キャッ!」
??
両手で抱き包むように掴むと、テラテラの魚の感触と一緒に、何故か大きくて柔らかい感触も一緒だった。
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