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初めてのアイスデート③
アイスはいろんなフレーバーがあって、どれもおいしそうで迷う。
写真を見ながら悩んでいると、向かいに座った将がアドバイスをくれた。
「トリプルにしたらどうだ?」
「でも、そんなに食べないかもしれないし」
「五十鈴が残したら、俺が食べてやるよ」
「いいの?」
「ああ。せっかく来たんだから、色々食べたいだろ」
「うん」
将の優しさに甘えて、フレーバーを三つ選ぶことにする。
けど、選択肢が三つに増えても、まだ絞りきれない。
「うーん……」
食べてみたいのが、たくさんある。
季節限定のは食べてみたいけど、定番のだって、おいしそうだし。
メニュー表とにらめっこしていると、将が笑いながらたずねてきた。
「どれで悩んでるんだ?」
「えっと、これ」
悩んでるフレーバーを指す。
どちらも、この時期にしか出ないだろう季節限定のフレーバーだ。
「スイカもおいしいと思うけど、イチジクもすごく気になるんだよね」
「じゃあ、これは俺がスイカを注文するから、五十鈴はイチジクにすれば?」
「え?」
「俺の分けてやるから」
「いいの!?」
将を見上げると、笑顔でうなずいてくれる。
「やった! ありがとね、将」
どっちも食べたかったから、嬉しい!
将って、ほんと優しいよね。
「ドリンクは、ジンジャエールでいいか?」
「うん!」
僕の好きな飲み物も覚えててくれてる。
注文は、店員が聞きにくるんじゃなくて、スマホでするみたい。でも将があっという間に注文してくれた。
店内はそれほど混み合ってなかったから、すぐに番号を呼ばれる。
将は「取ってくる」と言って、カウンターまでアイスとドリンクを取りに行ってくれた。
こういうところも、カッコいい。
何をするにもスマートなんだよね。
戻ってきた将がトレイをテーブルに置く。
ワッフルコーンのアイスと、ガラスのカップに入ったアイス、それに飲み物が乗っている。
「五十鈴はこっちな」
「わぁっ、おいしそう!」
スタンドに乗ってるコーンが、僕のアイスだ。
選んだのは、バナナ、イチジク、ストロベリー。
将のは、白いお皿の上に、ガラス製のアイスクリームカップがのせてあって、中には丸い形のアイスが三つ乗っている。
お皿に金色のスプーンが添えてあって、可愛い。
将のフレーバーは、ダークチョコレート、スイカ、ヘーゼルナッツ。
飲み物は、僕がジンジャエールで、将はアイスコーヒーだ。
お店で食べるアイスは初めてじゃないけど、将と一緒だからワクワクする。
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