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もうすぐ一年付き合ってることになるんだけど……実は、まだえっちしてないの。
この間のバレンタインに二人きりで、キスして、いちゃいちゃして、ゆーたが「挿れていい?」って聞くから、僕は「いいよ」って答えた。
もちろんゆーたは優しく優しくしてくれたよ?
でもね……僕が痛がりで泣いちゃったから、えっちはそこでおしまいってことになった。
それからは、キスもいちゃいちゃもするけど、挿入はしてないの。
ゆーたは優しいから、慣れるまで待つよって言ってくれてるけど……これってやっぱちょっとピンチだよねぇ。
ゆーたに愛想尽かされたらどうしよう。ゆーた無しでなんて、僕、生きていけないよ?
「とーまり。何考え込んでんだよ?」
頭をかかえてうんうん考えてたら、ゆーたが来ちゃった。
「ゆーたぁ。大好きだよぉ」
思わずゆーたに抱きついちゃった。
「はいはい。俺もとまりが大好きだよ」
ちゅってほっぺにキスをして、ゆーたは抱き返してくれた。
「なに、この部屋着。ふわふわしてて触ると気持ちい」
ゆーたは僕を床に押し倒すと、わしゃわしゃわしゃって僕を撫でまわす。
「ゃっ、ぷはっ、ふふっ、くすぐったいよ、ゆーた」
「ふふ、だって、とまりがぬいぐるみみたいだから触りたくなっちゃって」
ひとしきりゆーたは僕を撫でまわすと、僕を膝にのせてベッドに座った。
「聞きたい事って何?」
そうだ、そうだった。
僕は小説に就活生を出したいから、ゆーたの活動っぷりを教えてほしい、とお願いした。
「就活? うーん、俺は三社しか行ってないから参考になるか分からないけど、それでも大丈夫?」
「だいじょぶ! 最近はスーツ着てないけど、もう就活終わったの?」
「うん。本命も含めて三社とも内定もらった。後は大学卒業するだけだから、とまりともいっぱい遊べるぜ」
やったぁ!
「ええっと、じゃあまず就活の流れから教えて?」
僕はゆーたの膝から降りると、情報をメモすべくペンを握った。
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