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目が覚めると、そこは天蓋付きのベッドだった。
「うぅん……?」
見知らぬ場所に不思議がりつつも、私は起き上がろうとする。
「痛っ……」
すると、頭を引っ張られる感覚。
どうやら私は、自分の手で自分の髪を押さえ付けながら起きようとしたらしい。
「……って、ちょっと待って」
訝しみながら、今度は注意深く起き上がる。そして改めて自分の髪を見た。
長い。そして銀髪。
日本人の私には有り得ない髪色だ。
そのまま周りを見回すと、広い室内にはクローゼット、机、鏡……。
「鏡!」
急いで駆け寄ろうと……したが、長いスカートが邪魔!
それを両手で持ちながら、大きな姿見の前へ。
「わあ……。お姫様だぁ……」
棒読みの感想が口からこぼれる。
そう、私はあの『白銀姫』の姿へと変わっていたのだった。
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